金はなぜ価値があるのか

金は人類の歴史が始まってから価値がなくなったことのない物質です。そのものの美しさに加え資源としての有用性、再生可能な特性など価値にあふれる金属です。希少性もあり古代より重用されてきました。産出される量も限られており現在までに採掘された量は19万トン弱、50メートルプール4杯分にも満たないです。人類が根源的に魅了されてします物質が金なのです。

金を作り出す

中世に入ると人間の欲望は金を作り出す行為に向けられます。錬金術の登場です。錬金術は卑金属から貴金属を生み出そうとすることです。現在は技術的に確立はされておりますがコストが膨大な為利益追求としては合いません。

当時の技術者達が躍起になって、金を作り出そうと試みましたが不可能でした。
それがモチベーションとなり現代技術の基礎となる内容が生み出されたことは人類の進化にとって有益な結果となりました。
現在は金を人工的に作る方法は確立されていますが、膨大なエネルギーと費用、時間を要するため実験目的以外では現実的ではありません。
よって採掘することしか方法がありません。価値の担保は手に入れる方法が限られていることもあります。

ゴールドラッシュ

時代が進み1800年代にになるとアメリカのカリフォルニアやオーストラリアで鉱山の開発が進みます。そうですゴールドラッシュの始まりです。
どの時代も一攫千金は人類の性で多くの人が群がりました。時代は変われど結果は同じです。金儲けのブームは投資家と最初期に乗った者たちなどわずかな人々しか利益を得ることは出来なかったようです。
現在で言うと仮想通貨などがそれにあたるかもしれません。有象無象が表れて仕掛けた側が大儲けして終わるのが世の常です。
数百年たっても人間は変わらないですね。

世界通貨

そんな金ですが有事の金、世界通貨と異名をとります。人類有史以来価値がなくなったことのない物質ですので世界情勢が不安定な時ほど価値は高まります。小さく持ち運べて世界中で共通の価値が認められるので亡命や国外脱出の際にコートに忍ばせる事が可能です。一定の国を持つことがなかったユダヤ民族は貴金属の相場を掌握することにより有数の大資産家が排出しました。
情勢のタイミングにより金を制する者は世界経済を制する者となるのかもしれません。